MAGA vs MCGHH:温暖化対策を「無視」する米国と「主役」を狙う中国【COP30と日本の課題】

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当サイト「ONOLOGUE2050」は、地球温暖化対策を、単なる環境問題として捉えることなく、国家の存立・持続的発展に関わる包括的な課題として位置づけている。

気候変動、エネルギー供給、資源の確保は、もはや切り離せない一体のもの
現在の政策はしばしば短期的な目標やセクターごとの分断に陥りがちである。
当サイトは、これらの課題を、多元性を前提として一元的に捉え、包括的な視点での中長期的方針の合意形成と、その絶え間ない見直しが必要であると考えている。

昨今喧伝される経済安全保障の多くは、最終的に国民生活を守るための「生活安全保障」と同義でもあろう。
温暖化による異常気象は、日本において既に常態化しており、日常生活や農業・農作物や社会的経済的もインフラに甚大な被害をもたらしている。
この現状は、国民の生活基盤そのものへの脅威であり、温暖化対策は「必須条件」として、基本的・抜本的・持続的な政策と取り組みが求められる。
(参考)
⇒ 2050年日本社会構想の基軸設計理念「シン安保2050」の意味と究極の使命 – ONOLOGUE2050

当サイトが提案する温暖化対策としての「あるべき姿」。
それは、本課題を、日常とこれからの安心・安全・安定の保障対策(シン安保2050)の優先課題の一つとして位置付ける。
そして、循環型社会の創出(シン循環型社会2050)社会的共通(共用)資本の確立(シン社会的共通資本)と一体化させ、シン・イノベーション2050によって実現することにあります。
このシン・イノベーション2050は、市場原理任せにせず、政治、政府、行政が戦略的に主導しつつ、民間・教育機関の主体的参加を加え、国を挙げて、その政策の整備と合意形成を強力に進める必要があります。
そして、こうしたニーズは、私たち個人個人の意識・認識の下で、その直接・間接の参加を得て、取り組まれ、進められていく必要があります。

(参考)
⇒ シン循環型社会2050:日本の近未来へ導く持続可能で強靭な社会システムの羅針盤 – ONOLOGUE2050
⇒ 2050年、日本社会の新たな羅針盤:『シン社会的共通資本2050』が拓く共生の近未来 – ONOLOGUE2050
⇒ シン・イノベーション2050:日本の近未来を駆動する、包摂的で持続可能な社会変革の羅針盤 – ONOLOGUE2050

こうした抜本的な対策を実行するために不可欠な財源問題については、従来の財政規律主義一辺倒からの脱却が不可欠です。
当サイトは、「シンMMT(Modern Monetary Theoryの現代的再解釈)」の研究考察と新しい理念と方針・方法の開発を通じて、新たな財源調達のシステム化と合意形成を提案してまいります。
当然のこと、既定のこと、とされている財政規律主義・財源問題を理由にしてよい課題ではないのです。
温暖化対策は、国の安定的な持続と成長に関わる最優先事項として、財源を後付けにするのではなく、目標達成のために財源を創出するという発想の転換を提起していきます。
なお、温暖化対策の具体的な技術や政策については、今後個別課題を設定し、深く掘り下げていく予定です。

(参考)
⇒ シンMMT2050:日本社会構想を支える新たな財政・貨幣システムの羅針盤 – ONOLOGUE2050

今回のCOP30は、単なる気候変動対策の会議ではなく、世界のグローバル・ヘゲモニー(覇権)が転換期を迎えている現実の一端を如実に映し出しました。

MCGHHの台頭: CO2排出量世界1位習近平中国は、トランプ米国の国際協調からの離脱と無視という「空隙」「間隙」に乗じ、「グリーンへの転換」を主導することで、温暖化対策という「グローバル・コモンズ」における主役の座を明確に狙っています。
旧体制の空洞化: かつて理念的旗手であった欧州・EU諸国は、経済的な重圧と内政不安からリーダーシップを喪失し、「実利優先」へと舵を切りつつあります。
日本の課題: 世界第5位の排出国である日本は、この米中欧の巨大な潮流の中で、「脱炭素」と「国益・経済安保の維持」という厳しい二律背反に直面しており、高市新政権には「シン・イノベーション」を伴う独自戦略の構築が問われるところです。

トランプ政権下のMAGAが地球規模の信頼を毀損し、MCGHHがその隙を突く構図は、温暖化対策がもはや環境問題ではなく、政治・経済・安全保障の核心にあることを示しています。
当サイトは今後も、この覇権構造の転換を多角的に着目・分析しつつ、日本の望ましいあるべき姿を考察・提言していきたいと考えています。

次回予告: 次回は、先述した、温暖化対策の鍵として注目されている「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」CO2の貯留・埋め立て、等をテーマに、その内容・技術と経済的課題等について考察します。



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